不良少年 中学時代編

僕が思春期になると時を同じくして、昭和が終わり平成が始まった。
東京にほど近い埼玉県の隅っこに暮らす僕の周囲には、不良少年がいた。


はじめて直接不良少年を意識したのは、中1のとき。
早くもグレはじめたH君。
まったく関わりがなかったけど、技術の授業の時、彼が僕の横を通るときに足を引っ掛けてしまって、彼は盛大にこけた。
殴られたりとかはなかったけど、記憶に残るくらい僕はびびった。
その後、特になにもなく、僕は隣の市に転校した。
数年後、隣の市に有名な不良がいると、彼の名前を聞くことになる。


中2で転校して、僕はしばらく学校に行かなかった。
転校した先の中2のときのクラスメイトは、まったく覚えていない。
中3になってから学校に行くようになり、何人か友達もできた。


不良には、格付けがある。
当時はスクールカーストなんて言い方はなかったけど、1軍の不良と、2軍の不良がいた。
1軍はもう手が付けられない。高校にも行かない。卒業式には刺繍入りの制服で来る少年少女。
2軍はちょっと茶髪にしたり、いきがってみせたり、その程度。


僕が友達になったクラスメイトのひとりが、2軍不良少年だったフトシ君。
身体が大きくて、ちょっと肉付きがよくて、職人さんの息子。
通っていた中学は、地域では比較的おとなしい学校で、不良も少ない。
でも、隣の中学はひどいものだった。

リアル『スクールウォーズ』。

学校の中をバイクが走り、中学生なのにパンチパーマ、そんなのが1軍だけで十数人。
控えの選手も豊富で、3軍まであるような学校。
で、フトシ君は学区がギリギリで、そのひどい極悪中学に友達が多かった。
そいつと遊び始めることで、僕も少し不良の人たちと関わるようになった。
だいたい15歳から17歳の3年間、僕の不良生活がはじまる。

といっても、中学時代はたいしたことなく、僕が人見知りで陰キャなことに変わりはなく、茶髪とかもしない。
つまり僕は、高校デビューしたのだった。
中学時代の不良エピソードを3つ思い出した。


ひとつ目、万引き。
当時、万引きがはやっていた。
立派に犯罪なのに、今も昔も中学生はなぜ、万引きをするのか。
僕のクラスメイトにも、ゲーム機を万引きしてきて他のクラスメイトに売ってるやつがいたり、まだバーコードじゃなく値札ラベルが貼られていた時代、値札を安いのに張り替えたり、見た目は不良少年じゃないやつでもそんなことをやっていて、驚いたのを覚えている。

僕はあるとき、同じ中学の1軍のヤンキー数人と一緒にいた。
よく覚えていないけど、たしかフトシ君と2人で遊んでいて、1軍ヤンキー数人と遭遇、少し一緒にいたんだと思う。
そして、近所の酒屋に入る。当時コンビニがまだ少なくて、酒屋がコンビニみたいになっていた。
ヤンキーたちが万引きをはじめ、外に出て行く。
僕はどうしていいかわからず、心の中で「うわー」と思いながらも、ぼーっとついて行ってしまった。
その近くにある公園で、そいつらは戦利品で酒盛りを始めた。
盗んだものは缶ビールとおつまみ!中学生なのに!
そこにお兄さんがダッシュで走ってくると、ヤンキーたちは信じられない速さで逃げ出していく。
僕はわけもわからず、お兄さんが店員さんであることにも気づかず、ぼーっと突っ立っていた。
一人逃げ遅れた僕は、見事お兄さんに捕まり、お店に連行。

当時、僕の家は貧乏のどん底で、家に固定電話がなかった。もちろん携帯なんて無い時代。
僕はお店の裏で、親に連絡するから家の電話番号を教えろ、と詰められるも、「電話ない」の一点張り。
だって本当に無いんだもの。
1時間〜2時間くらい尋問されるも、ないものは無い。
根性あると思われたのか、根負けしたのか、お兄さんは「もういいや・・・」と僕を解放。
数年後、僕はそこの近くに住むようになるけど、その店には行けなかった。
今思えば、ちゃんとお金持って謝罪に行くべきだったな。


ふたつ目、遠征。
ある日、フトシ君の友達がいじめられたかなんかで、フトシ君が怒っていた。
その友達は、隣の市の中学に通っているらしい。
フトシ君は「そいつら締めてやる!」ってことで、みんなでその中学へ行くことに。
僕は、締めてやるって何するんだろう、っとよく分からないながらも、自転車こいで普通に友達と遊ぶ感じ。ケンカとか嫌だな怖いし。
その中学校の校門につくと、こっちが下校してるんだから、向こうも下校してる。
フトシ君も校内に入る勇気はなく、校門前でうろうろ。
すると、学校から大人の人が2人走ってきて「どこの生徒?この学校には君たちみたいのいないから」とかなんか言われて、おとなしく退散。
普通にぷらぷら遊んで帰った。


みっつ目、サバイバルゲーム。
エアガンとかミリタリーが好きな友達がいて、そいつの家で遊んでいるとき、「サバイバルゲームやろうぜ!」ってことで、近くにある雑木林に。
僕は借りたエアガンを持って、雑木林の中を走る。
しばらくすると、怖いおじさんに捕まった。
こんな人ゲームに参加していないのに。
全員捕まり、正座させられる。
雑木林だって誰かの持ち物だし、立派な不法侵入。しかもエアガンなんて危険だし、BB弾はプラスチック。
しこたま怒られた。

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